自己紹介
小説家になろうで異界の勇者として召喚されたのに得体が知れないと言われて殺されそうになったのでやりかえすことにしましたといういかにもなタイトルの小説を書いているなーどさんですこんばんは。
普段執筆に使っているツールの整備記録とか書こうかな、と。単に忘れそうになってるからってのがあるんですが。
今使っているのは GNU Emacs 26.3 になります。ここに narou-mode と yspel を突っ込んでいます。少しだけ苦労してたりしてなかったりするので後の人たちに便利に使ってもらえたらいいかなあ、とかそんなことを考えながら、ゴソゴソやっていこうと思います。
何にでも濁点をつけよう
お゙ぉ゙お゙ん゙みたいなことができるんですよ、ええ。
続きを読むルビ再び
先日のアレ
n-e-r-d.hatenablog.com
テキストを後ろから選択するとカーソル位置がおかしい。
久しぶりに Emacs の narou-mode をイジるなど
ルビ記法、漢字変換後にルビ入れたいなあ、などと思ってちょっといじりました。
続きを読むルビ記法で苦労した話(小ネタ)
とはいえ大した苦労じゃないんですけどね……
続きを読むnarou-mode に傍点挿入を足す
以前、知らない子とした傍点ですが、やはりつけようということでこうなりました。
narou-mode.el の insert-ruby-notation の後ろに sidepoint を追加です。
(defun insert-sidepoint-notation () (interactive) (insert "|") (forward-char 1) (insert "《・》"))
そして C-c C-s に傍点を割り当てるために記述を少し修正。
(define-derived-mode narou-mode text-mode "narou" "Major mode for editing text of narou format." (setq-local font-lock-defaults '(narou-mode-font-lock-keywords nil nil)) (local-set-key [(C c) (C r)] 'insert-ruby-notation) (local-set-key [(C c) (C s)] 'insert-sidepoint-notation))
傍点を付けたいテキストを先に入力してから C-c C-s で傍点ガシガシ入れられます。やったね。
振仮名をあとから付けるつーる
なんとなくの思いつきで作ろうと思ったなーどさんです。
いや振仮名を後からつけるのって結構大変じゃないですか。
そういう大変なことは機械任せにしたいのです。
drive.google.comWindows用バイナリです。使い方は見て理解してください。
世界というもの
「アインシュタインは『神はサイコロを振らない』と言った」
行きつけの立ち飲み屋で顔なじみのジェイくんにいきなりそう言われた。
「ああ、そうだね」
私はそれだけ返して、大将に「生ビールとカップワインの白」をオーダーした。
「僕もそう思う」
ジェイくんは自分のビールを飲みながら私に言う。
「全ての物理式を知り、計算できるような存在。僕ら人間より高次の存在ならサイコロなんか振らずに世界のすべてを知ることが出来るんじゃないかな?」
ジェイくんはそう言うと塩の砂肝を食べる。
「あ、大将、ハツとタンと砂肝とカワ、塩で一本ずつ」
「ねえ、タナカさん、そう思いませんか?」
私はこの店ではタナカと名乗っている。別の店ではナカムラだったりする。
「んー……ジェイくんの言っているのはラプラスの悪魔ってやつだね。アインシュタインの後、シュレーディンガーやディラックの時代に否定された考えだ」
私は生ビールを半分飲んだ。そこに塩味の四本の焼き鳥が並ぶ。
カップワインを開け、ジョッキに注ぐ。
「タナカさん、いっつも気になっているんだけど」
ジェイくんが私の手元を見ながら言う。
「ビールに白ワインってあうんですか?」
「ビアスプリッツァーっていう古典的なカクテルだよ。私みたいな酒飲みはビールではちょっと物足りないんだ」
ハツは焼きたてじゃないと美味しくないので一気に食べて、ビアスプリッツァーを流し込む。
「物事ってのは、知っているか知っていないかで見える側面が違う。私も決していろんなことを知っているわけではないけれども、それでも飲兵衛として楽しい飲み方くらいは知っているつもりだ」
「あー、すいませんねタナカさん、うちは立呑なんでねえ」
大将が申し訳無さそうに言う。それに首を振って答える私。
「いや、大将は懐が深いのよ。店に来て勝手にメニューにないものを作る私を出禁にしない。私がここで勝手に作るものはおそらく売れない。でも私の好みだ。それを否定しないだけでも私にとって幸せなことなのだよ……あ、塩クリームチーズと冷やしトマト頂戴」
苦笑を浮かべ、大将は塩クリームチーズオリーブオイル掛けと冷やしトマトを出してくれる。
私はトマトと塩チーズを一緒に食べ、ビアスプリッツァーを飲む。
「本当はバジルが欲しいんだけど」
「タナカさん、ウチは赤ちょうちんなんで、そういうのはトラットリアでお願いします」